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 2004年12月11日
(土)高千穂峰 1,574m ◎稲葉・斉藤・永田・松下 (4名) 少数精鋭部隊、高千穂峰を目指す (Photo Inaba)
 少数精鋭部隊、高千穂峰を目指す

 もっとも気にしていた天候は、年に数回しかないような見事な紺碧の青空。今回の参加者は私も含めて4人の少数精鋭部隊。集合場所には、予定より早く集まったので、早々に霧島を目指す。Sさん、Nさんは夏の清掃登山以来、Mさんは初めての高千穂峰ということだった。私は御鉢までは数回行ったが、高千穂峰は4回目だ。
 9時30分に高千穂河原に到着。準備して・・・今回のメンバーだから挨拶はなしとする。持ってきた霧島山の資料を基に高千穂峰と御鉢の解説をする。その山の活動の歴史を知って登る登山もいいかもしれない。鳥居前で元気なうちに写真を撮っておく。それから霧島神宮跡を目指した。神宮までの参道脇の階段は、まだ木の香りがするほど新しい。霧島神宮跡まではすぐだ。神宮跡から脇の登山道に入る。石畳の登山道が続く。次第に急な階段となる。ここは意外と疲れる場所なので、途中で一度休憩をした。石畳が終わると、いよいよガレ場が始まる。赤や黒のスコリアについて解説する。御鉢は白っぽい軽石は少ない。ほとんどが赤で、少し黒が混ざる。この理由についても講義も忘れない。ガレ場を進んで最後の日陰でもう一度休憩とする。ここを過ぎると全く木はなくなる。今日のように天気がいいと、最後まで炎天下の下となる。

 休憩が終わり、いよいよ御鉢を目指す。まだ高千穂峰は見えない。御鉢へのガレ場は次第に角度を増して、ズルズル滑るようになる。ルートはどこを通っても似たようなものだ。時々這うように手を使いながら登っていく。さすがに3人は息が上がっているようだ。ちょっと休憩を入れることにする。
中岳が目の前に見えた。本当はそれほど近くはないのだが、今日は見透しも悪くないので近く見える。しばらくの休憩の後、再度御鉢を目指す。坂が急なだけに、グングン下界が遠のき、御鉢に近づいているのが実感できる。御鉢の火口縁に到着すると、登山道脇からほのかに噴気が上がっている。また昨年12月に新しく出来た噴気孔からは、火口縁を越えるほどの噴気が上がっているが、火口縁を大きく越えるほどの勢いはない。火口縁まで来るといよいよ高千穂峰が見えてくる。山頂の日の丸は今日も優雅にはためいていた。火口縁でもうひと休みする。途中で追い越していった背負子の人が休んでいた。話しを聞くと、ボランティアで山頂小屋の蛍光灯などを担いでいるらしい。足元を見ると地下足袋だ。この山には地下足袋がいいのだろうか?

ボランティアの人が山頂小屋の蛍光灯などを運んで  (Photo Inaba)
ボランティアの人が山頂小屋の蛍光灯などを運んで

 背負子の人は先に出発した。こちらもそれを追うように出発する・・・もちろん追いつくはずはない。御鉢の解説をしながら火口縁を登り、鞍部に到着する。ここでまたひと休みする。文献によると、この付近に最初の霧島神宮があったはずだ。ここから見上げる高千穂峰は、初心者にとっては登ってくるのを拒むように急な登りに見えることだろう。最初は階段だが、間隔が広いので階段登りとは思えない。階段が次第に崩れ始めると、いよいよ御鉢への登りとはまた異なるザラザラの登山道となる。こういうガレ場を歩きなれていないと、ここから苦労することになる。3歩登って1歩下がるような感じだ。途中の少し大きめの石を見つけて休憩する。残りはあと半分だろうか。次第に急になっていくガレ場は登りにくい。しかし確実に山頂に近づいていることは間違いない。降りてくる人も苦労している。ここは滑るのを楽しめる人にとっては面白い下りなのだが・・・。


の、登れるかなぁ・・・  (Photo Inaba)
の、登れるかなぁ・・・

 山頂の手すりが見えてきた。もうすぐだ。次第に日の丸も見えてくる。あとひと息・・・到着!高千穂峰山頂から見渡す霧島連山や桜島はまた格別である。山頂の逆鉾をバックに写真を撮影している人がいた。持っている紙を見ると、高千穂町から高原町まで300km制覇を目指している人らしい。山頂の裏手にまわって場所を確保し、昼食とする。私はスープ春雨だが、Sさんはお手製のインスタント味噌汁もどきを準備してきたらしい。さっそくお湯を沸かす。風は肌寒い程度で、照りつける太陽でそれほど寒いという感じではない。

高千穂峰頂上!連山をバックに  (Photo Inaba)
連山をバックに

 昼食が終わったら、いよいよ今回の目的、山頂珈琲の時間となる。再度お湯を沸かす。持ってきたガスがちょっと好くなく、お湯が沸くか心配したが、何とか沸かせた。山頂喫茶店の開店である。今回のお客様は3名なので、競争率は高くない(笑)山頂で飲む珈琲は疲れが取れる。珈琲も終わり、山頂の証拠写真を撮る。今日は景色が素晴らしいので、霧島連山・御鉢・山頂と3枚の集合(と言っても4人だが)写真を撮った。山頂小屋の周りをまわっていると、斜面に季節外れのツルキジムシロが咲いていた。そこから見える双子石を見ながらまたこの山の解説をする。
名残惜しいがいよいよ下山である。ここの下山は過去に死亡事故も起きているので注意を要する。ザクザクのザレ場を用心しながら降りていると、周りの岩につかまりながら登ってくる一人の女性がいた。話しを聞くと70歳らしいが、とてもそんな年齢には見えない。話しをしている途中でNさんがズルズル滑り出した。あわてて捕まえる。何とか止まった。気の抜けない登山道だ(^_^;)


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 慎重に降りている3人の横を小学生が滑るのを楽しむように素早く降りていく。大人からすると恐いもの知らずと見えるのだが、体重が軽い子供だから出来ることである。「あまり走るなよ」と声をかけたが、聞くはずはない。私は3人の後ろに行ったり前に出たりしながら写真を撮る。撮られていつことはわかっているはずだが、笑顔を作る余裕はないようだ。真剣に降りている。もちろん、後続に追い越された。NさんとMさんは早い。ストックを使っていないSさんは、さすがに少し慎重にならざるをえない。何とか鞍部まで着いてひと息入れる。
 ここから少し登って御鉢火口縁に着く。とりあえず御鉢の噴気を撮影する。火口縁をゆっくり降りて、いよいよ急斜面になる。高千穂峰からの下りとはまた違うガレ場になる。ここもそれぞれ慎重に降りていく。途中、若い男性二人が普通の靴で登ってきていたが苦労していた。御鉢火口縁まであと少し、頑張れと声をかけて見送る。
 次第に急斜面の終わりが近づいてくる。そして・・・やっと急斜面が終わり、登りで休憩した最後の日陰に到着。下りはここでは休まず通り過ぎる。ここからは斜面は緩くなるが、気を抜かないように声をかける。山では危険な場所では事故は少ないが、それを過ぎたところで事故が起きやすい。ザレ場は続く・・・石畳までは意外と長い。「こんなに歩いた?」という声も聞こえた。石畳になり、階段になり・・・途中のベンチで休憩とした。近くにはミヤマキリシマの狂い咲きもある。
 石畳の階段を慎重に下りる。霧島神宮跡を通り過ぎ、高千穂河原に着いたのは15時半を過ぎていた。帰りは牧園町のキャンプ場の温泉に寄った。温泉の後は、大きな夕日を追いかけながら鹿児島を目指した。  
  (Inaba)

河原に到着!  (Photo Inaba)
河原に到着!


霧島 最高! さいとう  投稿日:12月12日(日)17時09分12秒
こんなお天気の良い山行は初めて。ゆっくり、ズルズルを繰り返し登り詰めた高千穂は雲ひとつない360度展望。ウサギの耳の新燃が手の届くように見え、いつまでも留まりたい程でした。ワガママオバ3ニンをしっかりサポ−トして怪我もなくリ−ドしてくださったクロさんきっとお疲れだったろうと思います。有り難うございました。それと今回は科学のお勉強つき。750年ほど前の赤い軽石・黒い軽石の違い、お鉢の噴火の歴史、たくさん教えていただき、何もかも贅沢な1日でした。

念願の高千穂登山 matusita  投稿日:12月12日(日)22時02分9秒
初めての高千穂登山は期待していた以上に素晴らしいでした。クロさんとSさんがすべて代弁してくださったのですが少数ならではの贅沢登山でした。おはちに40分、山頂で1時間半も時間をかけてます。 コーヒーも手作りインスタントみそ汁(進化中)もおいしかったです。下山中、出会った1時間半で登るという70歳の女性、韓国岳を終え、おはちですれ違った60〜70歳ぐらいのグループ、恐るべし・・・(普通ですか?)ちなみに今筋肉痛です。クロさん 3人のお守りありがとうございました。プリント付講義、登山指導勉強になりました。

12月11日(土)稲葉リーダー 高千穂河原〜高千穂峰往復
4名 (男性 1名:女性 3名)

【鹿児島市】
鹿児島中央駅西口 8:15 ★◎永田・稲葉・松下・斉藤
高千穂峰 初冬の高千穂峰山頂で珈琲を飲みたい!最もオーソドックスなルートで高千穂峰まで往復します。高千穂峰と御鉢の歴史も解説します。温泉は、参加者協議の上で決めます。
1,574m (歩行 3.5時間)
標高差 約600m
初級コース
霧島町/18時 会費  鹿児島市 2,000円 (現地集合1,000円)


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