「宮崎北部訓練山行」報告
2007年10月6日(土)〜8日(月)実施
稻葉長友黒木花田須賀江利   6名男性 4名女性 2名

今回の訓練山行は、「下見をしていない」「山頂テント泊」という、四季山遊会として始めての試みだった。 リーダーはもちろんのこと、参加者も色々と考えた山行になったことと思う。

訓練
これまでの山行では、人数や時間的な制約もあり、なかなか出来なかった地図の見方、ロープの使い方の練習が出来た。
また、事前のルート調べの重要性、山頂テント泊経験とコツ、便利な道具、ボッカ訓練の必要性など、経験してみなければわからない事も多かったと思う。

収穫
最大の収穫は、参加者及び参加できないながらアドバイスしてくれた会員が協力して、ひとつの山行を実現できたこと。
これまでは、リーダーが企画したとおりの山行であり、多少なりとも「連れて行ってもらう」を脱却しきれない部分があったが、 今回の山行は、リーダーは提案をしたのみであり、参加者の手作りによるものとなった。
山域や登山道、登山口までの道路状況、宿泊場所などを電話で調べ、参加者全員で情報を共有し手配。 ルート途中もそれぞれが地図やGPSでチェックするなど、各自がこれまで以上に自分の、そして他の参加者の安全山行に注意を払い、 お互いにアドバイスしながら行動していた。リーダーは最終判断はするものの、一助言者にすぎない。
それでも、リーダーがルート状況を知らないというのは、自分自身やはり緊張の連続であった。

ハプニング
1日目の宿泊地(バンガロー)は、当日申込みOKと事前にチェックしてことから、当日の午前中に電話。しかし留守電。 午後、夕方と連絡するも、留守電のまま。温泉から上がってみんなで対応を協議した。 可能性は低いだろうが、とりあえず予定していた現地に向かってみることにする。 最悪の場合、無料でテントを張ってもよいと許可をもらっていた場所に行き、 暗闇の中でテント設営も覚悟した。これも事前に色々調べていたからこそである。
県道6号線を北上し目的のバンガローに向かう途中、先頭車から「日之影キャンプ場の明かりが見えた。」との報告。 出来ることは何でもやってみようということで、日之影キャンプ場に飛び込んでみる。 キャンプサイトには数組の家族がテントを張っているが、まだまだ空きがある。 管理棟は不在。このまま空き地にテントを張って、翌朝、管理人に事情を説明することも考えた。 それでもよかったのだろうが、万全を期すために、とりあえず管理棟に張ってある電話番号に電話してみる。 このキャンプ場は携帯が通じないためか、ピンク電話があったので、時間外対応してもらえる役場に電話し、許可をもらった。 これでひと安心である。
暗闇の中でのテント設営を覚悟してただけに、明かりのあるキャンプ場に一同胸をなでおろした。 テント設営も無事に終わり、炊事棟の蛍光灯の下で夜の宴会が始まったのは夜9時頃だった。
宴会までの連係プレーは見事だった。

山頂テント泊&食事
前日キャンプ場で設営訓練していたこともあって、テント設営は順調に終わり、薄暗くなる中で夕食の準備にはいる。 各自持ってきたもので調理を始め、またお酒やつまみの差し入れに感謝しながら、ガスランタンとヘッドランプのほのかな明かりで宴会は続いた。 暗闇の中でどこまで出来るか不安に思っていた参加者もいたようだが、ランタンの明かりでも何とかなるものだとわかってもらえたことと思う。 手早く調理が出来、必要最小限を担いで残りものを出さない。
贅沢なものがなくても十分楽しめる・・・これが本来の山屋さんの食事であろう。
今後の合宿に生かしたいものである。

今後にむけて
今回はギリギリまで募集したため、打ち合わせの時間がほとんどなかった。 今後は、もっと募集と締め切りを早くし、打ち合わせの時間を作るべきであろう。
装備や食事についても、各自の体力に合わせて荷物を分散することで、もっと一体感のあるパーティーとすべきである。
参加者は、事前調査や手配はもちろんのこと、ボッカ訓練を行なうなどの体力的準備も忘れてはならない。

謝辞
今回の企画が実現できた背景には、リーダーが参加者全員の実力を知っていたこと、 各自の状況を把握できる人数(6人)であったこと、 参加者が積極的であったことなどがあげられる。
それ以上に、事務局や会員の協力やアドバイスなど、四季山遊会全体の協力なしでは 実現できなかった企画であったことは間違いない。協力いただいた皆様に深く感謝する。
また、全く新しい試みである訓練山行の趣旨を理解し、積極的に参加してくれた5名の仲間に最大限の拍手を送る。

四季山遊会のひとつのスタイルとして、また各自のレベルアップの場として、今後も続けていきたい企画であった。
参加者も、それなりの覚悟と決意で参加する必要はあるが、今までよりも幅広い山行企画が出来ることであろう。